精神障害者雇用は難しい 病気の理解が必要 体調不良や不適応で早期退職も多い

平成30年から障害者雇用義務の対象に精神障害者が加わりました。

もともと身体障害者や知的障害者は雇用義務に入っていたので、やっとかという人も多いのではないでしょうか。

障害者雇用義務の対象に精神障害者が加わった

精神障害者が雇用義務対象者にくわわったことにより、障害者の法廷雇用率が民間企業の場合、2%から2.2%に。

国や地方公共団体は2.3%から2.5%に。

都道府県など教育委員会は2.2%から2.4%に変わりました。

障害を持った人が働ける可能性が高まるので本当に良いことだと思います。

どこかの公的な機関みたいに雇用率をごまかして障害者の働く場を狭めるようなことは絶対にしてはいけません。

(本当に手本にならないといけない機関がルール通りやらないのですからひどい話ですね。)

わが社では人事部長である私がそんな考えを持っているので、障害者の雇用については奨励金をもらえるぐらい余分に障害者を雇用しています。

なので、精神障害者についても前向きに採用することにしました。

採用はハローワークや就労訓練施設などから行い今年度は精神障害者を3名採用しました。

精神障害者は他の障害者よりも雇用を継続することが難しい

その経験からお話しすると精神障害者は他の障害者よりも雇用を継続することが難しいと感じました。

どういうところが難しいのかと言うと身体障害者や知的障害者は障害が安定していることが多いので、出来ること出来ないことがある程度はっきりしているので、出来ることは安心して仕事を任せることが出来ます。

しかし、精神障害者は一見健常者と同じように見えても、それは無理をしているだけで、心のなかは妄想や幻聴が支配しているケースが多いです。

なので、面接で普通に正社員として働けそうだなと思って採用しても、入社後急に壁に頭をぶつけてぶつぶつと独り言を言っていたり、被害妄想のようなもので、普通に教えているだけなのにあの人はワタシの事が嫌いだから、当たりがきついと延々と上司に訴えてきたりとか、いきなり泣きわめいたりとかします。

するとほとんどの人が精神障害者と関わったことがないので、驚き、扱いに困ります。

そして、相手がお客さんなら怖がって、わが社のサービスを2度と使ってくれなくなるかもしれません。

そして、精神的な不調をきたすと仕事どころでは無くなるので、しばらく仕事を休むことになります。

このように精神症状が悪くなると戦力として当てにできなくなります。

入社してすぐに仕事に来なくなり、退職してしまう事もあります。

体調不良や不適応で早期退職が多いので病気の理解が必要

そうなるとあてに出来ないどころか、その穴埋めが必要になるので大変です。

なので、精神障害者を採用する場合は、精神的な体調不良や不適応がないか注意深く観察すると共に、調子が悪くなっているなと感じたら早めに勤務時間を短くするとか、仕事の負担を減らすとかの配慮と精神科医師への診察を勧める事が必要です。

そういう配慮が出来るようになれば精神障害者が働ける期間も長くなります。

精神障害者を雇用することは日本企業の義務なので、ハードルは高いと思いますが、是非前向きに取り組んで行きましょう。

ちなみにですが、精神障害者である短時間労働者で雇い入れから3年以内の方または精神障害者保健福祉手帳取得から3年以内の方かつ、平成35年までに雇い入れられ精神障害者保健福祉手帳を取得した方は0.5人が1人としてカウントできる特例措置があるので、その特例措置をうまく利用して、まずは短時間から慣らして行くことをお勧めします。

精神障碍者を採用するのは特例措置がある今がチャンスです。