会社や企業にとって何のメリットも無い、トラブルや問題を起こす不要な社員が存在する場合、まともな経営者やその上司であれば、即刻その社員を解雇しようと考えるはずです。
(経営者ではいないと思いますが、争いを恐れたり、無責任者な上司であれば、見て見ぬふりをするかもしれませんが。
自分の評価が下がったり、足を引っ張られているのに、対処しようとしない上司が世の中にたくさんいます。
非常に残念な事です。)
しかし、これは日本の国のいいところでもあり、悪いところでもありますが、解雇については、法的な規制があるために、簡単に解雇して退職させることが出来ません。
解雇の法的な規制については、労働基準法と労働契約法に具体的に定められていますが、以下の理由による解雇は禁止されています。
解雇が禁止される法的規制
よって、解雇をしても無効になります。
国籍や信条や社会的身分。
年次有給休暇の取得や労働基準法違反の申告。
育児休業取得や雇用機会均等法の性別や妊娠や出産や公益通報をしたこと等を理由とした解雇は完全に法律違反です。
よって、これらの項目に該当しないかよく検討することが必要になります。
それと解雇は労働者に大きなダメージを与えますので、労働契約法では解雇は客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を乱用したものとして無効とすると定められています。
これは解雇権乱用法理と呼ばれます。
なんやら難しい言葉ですが、簡単に言うと経営者や上司が好き勝手に社員や部下を解雇できないように制限していると言う事です。
実務上、解雇に関して裁判等法廷で争う場合、解雇が乱用になるかどうかが争点になる場合が多いので、解雇を言い渡す前に、解雇理由が正当なもので法律に則ったものであるかよく検討することが必要になります。
トラブルや問題を起こす社員は自ら辞めてもらう
これ以外にも、解雇をするとハローワーク等による高齢者や障害者等の就職困難者等雇用関係の助成金や補助金が受けられなくなるなどのデメリットがあります。
私が勤める会社でも多い時は数百万円こういう助成金や補助金をもらっていますので、もし解雇をしてしまうとその収入が数年間なくなってしまいます。
よって、トータルでその従業員や社員をを解雇することが得なのか損なのかをよく考えて結論を出す必要があります。
私としては、解雇をしてしまうと一年間に数百万円の利益がなくなってしまうので、基本的には、解雇せずにこのカテゴリーで紹介している方法で自ら退職するように働きかけています。
ここが、人事部長や会社の管理職の腕の見せどころになりますので、興味がある方はこのカテゴリーで学んでください。