解雇は、トラブルや問題を起こす不要な従業員に対しても、大きな不利益やダメージを与えるものですから、法律による解雇の禁止や制限以外にも、解雇を制限するものがあります。
まずその一点目が労使協定による解雇の制限です。
労使協定とは、使用者と労働組合との間で労働条件等について合意した労使が署名押印又は記名押印した書面のことです。
トラブルや問題を起こす従業員への法律以外の解雇制限
そして、普通解雇や懲戒解雇についての労働協約の定めは、組合員の待遇に関する基準に当たると解釈するのが一般的ですので、解雇が労使協定の定めに違反する場合は原則として無効になります。
二点目が就業規則による解雇の制限で、就業規則ではトラブルや問題を起こす不要な従業員であっても、解雇及び懲戒をする場合には、解雇及び懲戒処分に関する規定を必ず設けなければならないとされています。
就業規則や労使協定を解雇できるように作る
その為、使用者の定める就業規則において、解雇に関する規定がない場合にトラブルや問題を起こす不要な従業員等労働者を解雇することが出来ません。
これ以外に、就業規則に解雇の手続きや理由について具体的な制限を設けていれば、それらの制限は労働者を保護するものとして合理的な制限となるので、これに違反する解雇は原則として無効になります。
このように就業規則や労使協定が解雇に与える影響が多大なので、これらの制度を作成するときは、トラブルや問題を起こす不要な従業員等の人材をスムーズに解雇できるような内容にしておかないと、退職させることが出来ずに自らの首を絞めることになりかねません。
よって、就業規則や労使協定をしっかり見直し、トラブルや問題を起こす不要な従業員を退職させれるような内容になっているかしっかり確認する事が必要です。
このカテゴリーの別のページではトラブルや問題を起こす不要な従業員を退職させる就業規則の作り方を紹介していますので、是非、参考にしてください。
ちなみにですが、法律上の解雇制限は業務上の負傷又は疾病で休業する場合と産前産後休業の場合です。
法律上の解雇制限
業務上の負傷又は疾病で休業する場合は休業する期間とその後の30日間。
産前産後休業の場合もその期間とその後の30日間となっています。
ただ、業務上の負傷又は疾病で休業する場合、3年経過しても、病状が回復しない場合、平均賃金の1200日分の打ち切り補償を支払うことで労働基準法に基づくすべての補償金を免除される制度があります。
その他天災事変などのやむを得ない事情で事業が継続できなくなった場合も、労働基準監督署の認定を受けることで補償金が免除されることがあります。